4年間のうちに「日常」になったこと その1
小髙陽一が村長になり3年8ヶ月。様々な公約が長生村の中で「日常=普通のこと」になった現場に、実際に足を運んで考えてみた。
今回は、その1として「津波避難施設」を取り上げる。
初めて築山の上に登ってみた。今までは、「あそこに造っているな」「結構時間がかかるな」「あっ、人が沢山いる!」とその変化を海に下る道を通るたびに遠めに眺めていた。全部で3ヶ所造られた「津波避難施設」のうち、城之内地区の築山である。
(写真上:西側から見上げる、写真下:東側から見上げる)
近くに行ってみると、想像より大きく感じた。これだけの大きさなのだから、完成までに時間がかかったこともうなずける。中央の階段を登ると、途中で階段を横切る道(スロープ)が現れる。スロープの下りに沿って目で追うとかなりの長さである。再度、大きさを実感するとともに、お年寄りや小さな子どもが利用するための設計がされていることがわかった。
頂上に上がるとそこは「海抜10メートル」の表示のある休憩スペースが出迎えてくれた。さらに、防災備蓄品の倉庫や屋根付きの休憩スペースには収納機能付きのベンチが設置されていた。広さからすると500名ぐらいは避難が可能かなと感じた。
たまたま、私が登った時間帯にはお年寄りの方が一人ベンチに座って座って休んでいた。おそらく近所の方が散歩に来ていたのだろう。スロープの傾斜が適度な運動を楽しめる環境となっているようだ。写真を撮影して帰るときには、まだ就学前と思われる男の子とその父親であろうふたりがスロープをスケーターのような乗り物で歓声を上げながら下っていった。彼らにとって絶好の遊び場になっているのだろう。斜面もクローバーで覆われ、ソリ滑りができそうである。「避難施設」というと「いざと言うときに使うもの」というイメージだが、日常から村民の皆さんに親しんでもらえる施設になりそうである。
(写真上:頂上から見た西側の風景、写真下:頂上から見た東側の風景)